ログインボーナスはどの仕組みが良いかを検討してみた話

ログインボーナスはどの仕組みが良いかを検討してみた話

Clock Icon2016.07.07

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

Happy Birthday! Classmethod!!

昨今、スマートフォンが流通して、一人複数台の時代が訪れております。
かつては据え置き型ゲームから携帯型ゲームへと遷移してきたゲーム業界が、ここにきてスマホゲームへと更に遷移していこうとしています。

スマホゲームが盛んになり、多様なアプリゲームが配信されてきました。
そして、最近では大手チェーン店による公式アプリも増えています。

ゲームやアプリの選択肢が増えるに連れ、考えなければならないのは、どうやってユーザーを獲得するか、の他に、どうやってユーザー離れを防ぐか、だと思います。
せっかく始めてもらっても、飽きられてしまっては元も子もありません。
(まあ、ゲームの面白さやアプリの操作性で使われなくなることはどうしようもありませんが・・・)

そんな時に往々として使われる手段が、ログインボーナスです。
現在担当しているスマホアプリのプロジェクトにて、ログインボーナスを実装することになったのですが、どのように設計・設定すれば適切なのかを判断する材料が必要になりました。
このブログは、そんなログインボーナスの仕様を作る際の資料的な役割を目指しています。

※本記事の特性上、ログインボーナスの情報は2016年7月7日現在のものとさせてください。
あわせまして、本記事を書くために情報を提供いただいた皆様、誠にありがとうございました。
後ほど、画像などの掲載で追記する可能性があります。

ログインボーナスとは

ログインボーナスとは、その名の通りアプリやゲームにログインした際に付与される付加価値のことです。
ユーザーにとっては、毎日アプリケーションを立ち上げる原動力になりますし、提供者側もDAUを増やしゲームや自社ブランドへのアクセスを増やすことが出来ます。

ログインボーナスはゲーム内に必須というわけではありません。
が、最近のソーシャルゲーム系には割と多数搭載されている傾向にあります。

1日の境界線(リセット時刻)はいつにするか

ログインボーナスで一番多いものが、デイリープレゼントです。
1日のうちにログインしてくれた人に等しくゲーム内アイテムやポイントなどを付与する方法です。

この付与する日付の切り替わりはアプリによってまちまちだということは、割とお気づきでしょう。
では、どの時間をリセット時間として設定しているアプリが多いでしょうか。
ここではそれぞれの時間と、対応したアプリケーション・ゲームを例にあげてみましょう。

24時(JSTでの日付変更時)

最もわかりやすいものがこのパターンに当てはまります。夜12時、日付が切り替わるのと同時に境界線を設けるパターンです。
例えば、2016年7月7日のログインボーナスは「2016/7/7 0:00:00- 2016/7/7 23:59:59」にもらえます。
バンダイナムコ社のアイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージや、LINE社のディズニーツムツムなどが含まれます。

深夜3時(27時)

割と見かけるのは、夜3時に日付が変わるパターンです。
日時としては、2016年7月7日のログインボーナスは「2016/7/7 3:00:00- 2016/7/8 2:59:59」にもらえます。
XFLAG社(Mixi社)のモンスターストライクや、KONAMI社の実況パワフルプロ野球などがこれに含まれます。

深夜4時(28時)

調べてみてわかったことが、意外と深夜4時も多いということです。 日時としては、2016年7月7日のログインボーナスは「2016/7/7 4:00:00- 2016/7/8 3:59:59」にもらえます。
バンダイナムコ社のアイドリッシュセブンや、ディライトワークス社のFate/Grand Orderがこれにあたります。
ただし、Fate/Grand Orderでも、ゲーム内で一日1回引くことの出来るログインボーナスガシャは午前0時でリセットされるようです。

深夜5時(29時)

深夜というより、もはや早朝に近い5時に変更されるパターンも割と多いです。
日時としては、2016年7月7日のログインボーナスは「2016/7/7 5:00:00- 2016/7/8 4:59:59」にもらえます。
DMM社の艦隊これくしょんや、Cygames社のグランブルーファンタジーがこれにあたります。

昼3時(15時)

これが一番変わっているかもしれません。昼間の3時に日付が変更されるパターンです。
日時としては、2016年7月7日のログインボーナスは「2016/7/7 15:00:00- 2016/7/8 14:59:59」にもらえます。
ポケモン社のポケとるがこれにあたります。

前回のアクセスから24時間経過後

前回のログインボーナス付与から24時間経ったらログインボーナスがもらえるパターンです。
人によってリセット時間がまちまちになります。
Supercell社のクラッシュオブクランがこれに当たります。海外のアプリに割とよくあるそうです。

あえてぼかしているパターン

明確な日付境界線を設けないパターンも有ります。
Niantic社のIngressは、ゲーム内での連続ログインメダルのカウントを、どの時間で行っているかを明確にしていません。
カウントされたりされなかったり、いろいろと報告がるため不明とさせていただきます。

なぜ時刻をずらすのか

日時をずらす理由は、業務要件や運用要件によるところが大きいです。
本来であれば、24時のタイミングでリセットをかけるのが良いのでしょうが、リセットの時刻を24時にしてしまうと、その時間にアクセスが集中してしまう可能性もあります。
また、アクティブユーザーを取るのに24時に切り替えてしまっては、実際のユーザーのプレイスタイルに合わせた解析結果が出ません。(人が起きて寝るまでを1日としてカウントするほうが合理的とも言えます)
技術的な点から言うと、24時に行うよりも3時や4時に行うほうが障害の発生切り替わり分岐点としやすい、夜間バッチ処理やデータバックアップを取得する前後でリセットされるなど、利点も多いです。

中には、午後3時にリセットするなどのアプリもあります。
これは、たとえば深夜に日付境界線を設定することで、深夜まで子供が起きてログインボーナス時間を待つという夜更かしを防ぐ意味がありそうです。
もしくは、その時間に設定することにより、アクティブユーザーをその時間に集中させることが出来、ソーシャル的な口コミ的な広がりを期待してるのかもしれません。

ゲーム系でない実店舗を構えているショップのアプリなどでも、このログインボーナスリセット時間をずらすことを行っています。
それは、レジの精算を深夜時間帯に行うのが通例になっており、その時間に日付境界線を設定すれば店舗のオープンクローズの1サイクルを1日として、後々ビッグデータなどで活用する際に適したデータが出やすいとされています。
ただし、この場合、日付が変わってもログインボーナスがもらえないかないか、というユーザーからのクレームが入ることがあるのが難点です。

1日のうち、最もアクセスが少ないのは、日本時間で朝4時だと言われています。
この時間にリセットタイミングを合わせるのが丁度いいのかもしれません。

パターンによるログインボーナス付与方法

ログインするだけで良いパターン

基本的にログインボーナスと呼ばれるのはこちらのログインするだけで良いパターンです。
ログインした際にホーム画面に遷移し、そこで毎日のゲーム内通貨や課金用通貨、ユニットやゲーム内アイテムを付与します。
ログインするだけで終わるので、ユーザーにとってはアプリを立ち上げる「だけ」の作業になりやすいのが欠点ですが、気軽にアプリを立ち上げてくれる可能性にも繋がります。

ログインして何らかの操作・ミッションを行うパターン

ログインした後に、音楽ゲームであれば曲のクリア、戦闘系ゲームであれば敵の勝利、イベントであればイベントの課題クリアなど、ある動作を行ってからアイテムを付与するパターンです。
他にも、1日1回500円付与したタイミングでポイント付与が発生するパターンや、ガチャガチャを回して付与するパターンなどもあります。

もちろん、ログインボーナスとミッションボーナスを組み合わせたアプリやゲームもたくさん存在します。

連続性は必要かどうか

ログインボーナスを大きく分けると、連続ログインボーナスと通算ログインボーナスに分けることが出来ます。
もちろん、これを併用しているアプリ・ゲームも多いです。どちらが利点があるのかを考えてみましょう。

連続ログインボーナス

わかりやすく、連続してログインすることで、ログインに応じたアイテムが貰えるパターンです。
特徴的なのは、1日ログインしない日があると、カウントが「0日までリセット」されてしまうことです。
バンダイナムコ社のアイカツ フォトonステージ!!のデイリーログインボーナスがこれにあたります。
他にも、IngressのJojournerメダルの日数も連続してログイン(+ハック等、何かのアクション)する必要があります。

通算ログインボーナス

連続しなくても良い、通算でもらえるログインボーナスです。
特徴として、1日ログインすることを忘れても、リセットされずに続きからログインボーナスを貰うことが出来ます。
バンダイナムコ社のアイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージなどがこれにあたります。
利点としては、連続ログインボーナスほど、忘れた後の「忘れたからやめよう」感がありません。離脱率低下を防げます。

それ以外にも、期間限定でログインしたら一律でログインボーナスを付与する、期間限定ログインボーナスもありますが、大抵の場合通算ログインボーナスの一種とみなせます。

結局何が良いか

ここまでいろいろとログインボーナスについて検討してきましたが、要件的な主だった理由がない場合は以下の設定にした方がいいということがいえます。

  • 朝4時でデイリーログインをリセットする
  • 連続ログインボーナスではなく通算ログインボーナスを設ける
  • もしくは、ログインボーナスを毎日均等にする
  • アクセスするだけで、アプリ内通貨やゲーム内通貨・アイテムを付与する。
  • ログインボーナスとはまた別に、ユーザーのミッション達成でのポイント付与・アイテム付与を行う。

ことをお勧めします。

最後に

冒頭でも書きましたが、本日7月7日は、クラスメソッド株式会社の創立記念日です。
このブログは、その創立記念日の日付が変わった「朝4時」に公開しています。
つまり、このブログは2016年7月7日の「ログインボーナス記事」というわけです。
本日は、おそらくたくさんのブログ記事が掲載されるお祭りになると思われます。
弊社の創立記念日の祝い方はブログの会社らしくそういう方向です(笑

皆様、本日1日お付き合いいただけると嬉しいです。
(ブログ記事は28時までではなく24時までの間に沢山投稿されるみたいですよ。あしからず。

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